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神戸大学人間発達環境学研究科教授

津田 英二さん

障害の有無に関わらず「豊かさ」について考え直す時代

 短い期間に、独自性のある事業を展開し、社会からの評価を得られてきたことに敬意を表します。
 コロナ禍の前に長谷川さんと東京の事務所でお会いしたとき、東京進出するのは福祉型専攻科を社会に広めるためだと強調されていたことが、とても印象強く記憶に残っています。
 さて、今、障害の有無に関わらず、「豊かさ」について改めて考え直す時代が来ているように思います。
 私が学生だった頃、暉峻淑子さんの『豊かさとは何か』という岩波新書がよく読まれていました。
 バブル期のあの頃、物質的豊かさばかりを追い求めることに対する漠然とした不安があったのだと思います。
 しばらく後に出版された中野孝次さんの『清貧の思想』も、私はどちらかというと憧れのような気持ちで読みました。
 経済的成功をめざすことも可能だが、もっと素敵な生き方があるのではないのか?というような気持ちだったように思います。
 それから30年を経た現在、同じ「豊かさとは何か」という問いであっても、社会的背景がまるで変わってしまったように思います。
 将来の不確実性の高まり、ことさら社会のさまざまな場面の持続不可能性の高まりの中で、私たちはさまざまな困難に直面しながら、最後は「生まれてきてよかった」と思うことができる一生を築いていかなければならない、今はそんな時代であるような気がします。
「就労が目的の人生なんて……」。
 障害児教育に携わっている人の多くは、一度はそんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。
 仕事に燃え尽きる人生というのも素敵ですが、豊かな人生はもっと多様で、それぞれの人が自分で切り開いていくべきものだと思います。
 知的障害のある青年たちにとって、青年期教育の充実、中等後教育の保障は、これからの時代に豊かな人生を築いていくときの大きな手掛かりになるはずです。
 「ゆたか」という言葉が入った御社の思いと取り組みは、まさに時宜を得ていると思います。
 まだまだ開拓精神を忘れてはいけない業界の中、ゆたかカレッジ様のますますのご発展を祈念しております。

神戸大学津田研究室ホームページ
http://www2.kobe-u.ac.jp/~zda/zda.html

津田 英二さん