
23.「互いを高めある場所」
「互いを高めある場所」 カレッジで過ごす毎日は楽しいことばかりでなく、嫌なことも我慢しなければいけないことも苦手なことに挑戦しなくてはいけないこともたくさんある。 授業だから仕方なく活動に参加、人と話すのは苦手だけど話さないといけないし、自分の成長のためなど考えはさまざまである。 けれど共通して言えることは、乗り越えた先や成長した先にある笑顔が本当にキラキラ輝いていてこちらまで嬉しく

22.ねぇねぇ、またアイロンの授業やろうね!
ねぇねぇ、またアイロンの授業やろうね! 生活の授業を担当しています。服のたたみ方、アイロンのかけ方などを説明しました。すでにご家庭で「お手伝い」が習慣になっている学生にとって、これは「いますぐ役立つこと」です。 早速、学生がアイロンをかけ、きれいにたたんだYシャツの写真を私に見せてくれました。 つい先日まで「スプレーのり」という言葉も知らなかった学生がです。「ねぇねぇ、またアイロン

21.一抹の寂しさを感じながらも、頼もしい顔が何とも嬉しかった
一抹の寂しさを感じながらも、頼もしい顔が何とも嬉しかった 特別支援学校はほぼ出席しなかったという、引きこもりがちな新入生。入学してすぐは通所していましたが、コロナ禍ということもありちょっとずつ欠席が増えていきました。 「私、どうしたらいいのか分からなくて…」安定して通うことができないことに、一番不安を覚えているのは学生本人でした。 少しでも自信を持ってもらいたい、その想いからスタン

20.学生たちがより良い人生を歩んでいくために日々考えています
学生たちがより良い人生を歩んでいくために日々考えています 授業の中で、学生たちが前回の授業で学んだことを活かして学習に取り組んでいる様子を見ると、授業内容が彼らの知識の一部に加わっていることが実感でき嬉しく思います。またこちらからヒントを与えるのではなく、自分自身で関連性に気づいてくれた時、実になっていることが強く感じられ、その喜びが私自身のモチベーションアップに繋がっています。

19.ゆたかカレッジでの学生の成長で思うこと
ゆたかカレッジでの学生の成長で思うこと 障害によってからだやこころの働きに困難のある学生は、基本動作が未学習であったり、誤学習であったりするために、生活・作業動作を十分に行うことができない。このような学生たちに十分にコントロールされた自己をどのようにして獲得させることができるかが支援教員の専門性だと考える。どの教育方法・理論に基づくかは、支援教代の障害観に委ねられるところである。

18.Aさんの紙袋
Aさんの紙袋 「先生、今までお世話になりましたJ 美しいお辞儀とともにAさんが両手で丁寧に差し出してくれた紙袋をそっと開けてみると、Tully’sのブラック缶コーヒーが入っていた。 さかのぼること約8ヶ月前の7月7日、私はゆたかカレッジにやってきた。大学を卒業してからの9年間、公立の中学・高校の教員として教壇に立ってきた私。生まれて初めての転職にド

17.ゆたかカレッジでの2週間で感じたこと
ゆたかカレッジでの2週間で感じたこと ゆたかカレッジに来て、まだ2週間しか経っていない。でもこの2週間で、私は、さまざまなことを発見し学んだ。 まず、学生たちのあいさつがすばらしいこと。わたしが、「おはよう」というと、学生たちはしっかり、「おはようございます」と答えてくれる。その時、わたしはもう一度言い直す衝動にかられる。学生たちと同じようにしっかりと「おはようござ

16.あたたかい「がんばって」
あたたかい「がんばって」 私がゆたかカレッジに出会って半年、期間にしては本当に短いですが、その短い期間でも学生たちといろいろな話をしました。授業中は真剣に、休憩時間は楽しく、毎日数え切れないはどの言葉を交わしているゆたかカレッジの学生たち。 目が合えば優しく声をかけてくれたり、時には自分の意見をカいっぱいにぶつけてくれたり。ゆたかカレッジ勤務は毎日が新しい発見の連続

15.小さな見えない成長を積み重ねるゆたかカレッジ
小さな見えない成長を積み重ねるゆたかカレッジ 成長ということばの意味合いには、いろいろなものがある。例えば、子どもが成長するといった時には、第一に身長が伸び体重が増加するような身体的な成長を思い浮かべることが多い。実際、このような身体的変化は視覚的に認知しやすく、しかも物理的に容易に変更できない決定的なものだ。 一方、精神的成長については、身体的成長と同様に重要に扱

14.プラス思考になろう
プラス思考になろう 「ブラス思考」とは、物事を肯定的な方向に傾斜した考え方を行う傾向。ポジティブシンキング、積極思考。 先日、ヘルスケアで「ブラス思考」についての授業を行いました。「ブラス思考」に物事を考え、明るい未来を創ってもらうことが目的です。「ブラス思考」と「マイナス思考」、それぞれ脳からホルモンが出るため、「プラス思考」は体にいいということ、これからは 「プ

13.一年目のゆたかカレッジ
一年目のゆたかカレッジ ゆたかカレッジが開校して、まもなく一年が経とうとしています。 開校当初は、仲間意識が低くお互いの交流が非常に少ない状況でした。また自己主張の強い学生さんたちが多く、常に自分の意見を通そうという姿がみられました。また自分の意見が通らないと、不満げな表情をあからさまに示す学生もいました。話し合いの場を設けても、それぞれの個性や相性などにより、意見が

12.涙をこらえて
涙をこらえて Mさんは周囲をぱっと明るくするような笑顔の持ち主で、誰もが認めるムードメーカーのひとりです。入学当初から学ぶ意欲に顔を輝かせ、授業中は自主的にメモをとり、帰宅後の復習を欠かさない姿勢には目をみはるものがあります。 そんな彼女が授業の一環として漢字検定に取り組みました。大きな行事の合間を縫って、持ち前の前向きさでコツコツ取り組みを続けたMさん。合格への強

11.トレードマークの笑顔
トレードマークの笑顔 うつむいて席に座っている様子が前期の印象だったYさん。授業中も休み時間もあまり話さず、何か問いかけても返事程度で言葉が続かなかった。私は、とにかくゆっくりと対応しようと決め、注意深い見守りを心がけていた。 しばらくして保護者とモニタリングがあり、三者面談を行った時のことである。母親と何のためらいもなく、スラスラと笑顔で言葉のやり取りをするYさん

10.今青年期らしい成長の姿
今青年期らしい成長の姿 入学当初、とても気になっていたことのひとつに、何かにつけて「ごめんなさい」という言葉が出ることがあった。狭い廊下で、ちょっとすれ違っただけで、「あっ、どうもすみせんでした」と間髪いれずに言ってくる。謝る必要もない状況でも、まず自分から謝ってしまう。 とりわけSさんは、その傾向が強かった。どうして自分だけできないのだろう。長年、できない自分を強

09.今日は昨日よりもっと跳びたい
今日は昨日よりもっと跳びたい Iさんはマラソン大会に向けて、朝の連動の時間になわとびを頑張ってきました。 ただ跳ぶだけではつまらないかと思い、目標を持って跳んでもらうことにしました。考えたのは日本や世界の地図を用意して、30回跳ぶと1つの県や国を塗りつぶすことができ、最終的には日本や世界を縦断することができるというもの。 Iさんはこれを達成しようと毎

08.頑張ろうとしている姿
頑服ろうとしている姿 4月、私はゆたかカレッジの職員として働き始めた。私はゆたかカレッジの学生の入学当初の様子を何も知らない。入学当時に作成された書類や、様子を知る支援教貝から話を聞いて、状況を想像することしかできなかった。そういった面で悔しさを感じていたある日、「次、それ借りてもよろしいでしょうか?」「僕がここの掃除をするので、君はそっちをお願いします」と仲間に話しかける彼の行動

07.「寄り添う」ということ
「寄り添う」ということ ゆたかカレッジに通う学生たちは、様々な活動の中で、日々成長しています。私が担当している3人の学生の様子をお伝えします。 Iさんは、私が担当を持って2年が経とうとしています。彼は入学当初は表情が硬く、孤立していました。孤立といっても、ただ自分のペース、テリトリー内で活動することが多いだけなのですが。 そこを本人と話を行い、「友だち

06.とあるささいなことから・・・
とあるささいなことから••• 先日、朝の通勤時でのできごとである。私の目の前で、電車のドアが開いたら、人がぶっかり合って、両者ともにその場に倒れた。その後、二人は起き上がり、互いを罵り合うことになった。車掌さんがすぐに駆けつけ、話を聞きながらふたりを車掌室のほうへ連れて行った。よく見ると、ひとりは作業着を着た若い男性、もうひとりは、40歳ぐらいのサラリーマンだった。なにもこんな朝か

05.ゆたかカレッジで得たもの
ゆたかカレッジで得たもの 木枯らしの吹く寒さの厳しい毎日、通勤途中、降り注ぐたっふりの朝日と、オレンジ色の夕日を見ることができる。一日の授業と学生対応で精一杯の日が積み重なっているが、その内容は想像していた以上に中身の濃いものである。 ある日は、ひとりの学生が自分の将来に向けて真剣に悩み支援教員の元に来る。また別の日には、現在の自分に無力さを感じ、肩を落としていて動

04.少しずつ姿を見せる「隠れていた力」や「忍耐」
少しずつ姿を見せる「隠れていたカ」や「忍耐」 立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒い如月の日々。にこやかな笑顔の学生たちですが、ちょっと、顔色悪いなあ、なんかくしゃみが続くなあと、検温してみると発熱していたなんてことも珍しくありません。この時期の昼夜の温度差には、私たちでも身体がついていきませんから、もっとデリケートな方は大変です。体調のすぐれぬ時、頭がもやもやした時は、イライラしてく
03.ゆっくり着々と
寒い冬が終わり、河川敷に広がる菜の花を眺めながら颯爽と駆け抜け、男らしい汗をかくゆたかカレッジ3年生のKさんの姿を見ながら、彼の成長している姿を改めて感じた。 ゆたかカレッジでは、毎年行われる行事のひとつにマラソン大会がある。それは3月を予定しており、一年の締めくくりとして学生たちが楽しみにしている行事のひとつである。なぜなら様々な困難を乗り越え、体力的にも精神的にも成長してきた結果を出すチャ
02.自分を見つめるということ
ゆたかカレッジが始まり3年。次年度で早くも4年生になる学生がいます。 上下関係ができ、小さな社会がゆたかカレッジにもできてきました。「さあ、学生生活を満喫するぞ〜」といっても最初はうまくいかないのがゆたかカレッジ。学生たちは対人関係、コミュニケーションに課題が多い学生が多く、なかなかお互いの距離感や適切なコミュニケーションの取り方、相手の気持ちがわかりませんでした。 その中でADHDの特

01.カレッジで成長するということ
カレッジで成長するということ 3月31日までは小学校の教員、そして4月1日からはゆたかカレッジの支援教員となった私。たった1日で自分を取り巻く環境ががらりと変わる中で、それまでとの共通点は目の前に学ぼうとする人の存在があるということぐらいでした。あれから1年が経とうとしています。 文字通り、あっという間の1年でした。おそらくそれは、同じことの繰り返しではないことが、ゆたかカレッジの日々