parents essay

保護者エッセイ

Essay

エッセイ

 あれは20年前の暑い日が続く8月8日でした。陣痛が始まり、長女の子と同じように痛みが続く中、産声が上がり安堵したことを思い出します。先生が「少し異常があるようで入院になります」と言われショックを受けたこと、3歳児検診で発達の遅れがあることと、目に異常があり弱視で内斜視があると言われ、私の試練が始まりました。病院めぐりの日々、視力アッブの訓練、言語訓練などいろいろ。小学校に上がっては授業についていけないので漢字と計算の勉強と訓練の日々。

 

 将来に不安を覚え、髪をさか立て、目をつり上げて鬼の形相で息子に勉強をさせていました。今思えば本当に可哀想なことをしたと思いますが、その時は「私がなんとかしなくては!」と必死だったのです。思いとは反対に息子は3歩進んで3歩後退でした・・・。

 

 この子が大人になった時どうなるんだろう?仕事につけるのか?結婚は?私がいなくなったら?と思い悩み、ついにはノイローゼになり心療内科に通うまでになりました。

 

 通院している間に先生から「まだ来てもいない未来を思い心配するのをやめて、少し先だけ見て生きてはどうですか」と言われハッと我に返り、子どものためにも先の先まで考えるのはやめよう。目の前を見て行こうと思いました。それからは考えが変わり、特別支援学校高等部に入学し、本人に自信を持たせることを考えていきました。また高等部卒業後、どうしたらいいか悩んでいたら障害があっても学べるところゆたかカレッジに出会い、私が求めていたところがあったと思い、通いはじめてもうすぐ1年が来ます。朝、自分で起きて準備をし、バスで通い、ゆたかカレッジではパソコンや漢字検定での漢字の勉強、日々起きたこと、ニュースを調べたり、定期的に行われている調理実習では包丁を使うこともできるようになりました。私では教えることができないことを学んでいます。

 
 
 先日行われた研究論文発表会では司会を務め、パソコンのパワーポイントを使い発表していました。息子が幼い時、こんな日々が来るなんで考えてもいませんでした。

 

 まだまだできないこともありますが、できるようになったことがたくさんあります。

 

 我が子が私を育て成長させてくれて共に歩んだ20年です。息子に感謝し、今年迎える20歳の誕生日を心から祝いたいと思います。

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