parents essay

保護者エッセイ

Essay

エッセイ

<19>娘がしっかりと成長していることに驚き、嬉しくなりました

娘には知的障がいがあり、高校卒業後の進路には本当に悩みました。当時、就労支援サービスを受けるしか選択肢がないと思っており、数回体験に行きましたが、娘には時期が早すぎる、まだ学生として色々なことを学ばせたいと第一に思いました。
 そんな中、高校の保護者会で隣に座ったお母様からゆたかカレッジの話を聞き、今に至ります。ちなみに当時の相談員さんはゆたかカレッジのことを知りませんでした。
 入学後の三者面談でのことですが、娘がきちんと自分の言葉で先生の質問に受け答えし、家での様子とは段違いにしっかりと成長していることに驚き、嬉しくなりました。
 各々の特徴や不得意なことをプロの視点からご指導頂き、更にサークル活動など多くの行事を通して、仲間と遊びや体験をさせて下さっているのも貴重な経験になっています。

<18>自尊心が高まってきている

 障害者相談支援センターの方を通じて、ゆたかカレッジを知りました。その後は体験授業を快く受けさせて下さいました。あまり自分の気持ちを言い表さない息子ですが「ゆたかカレッジで学びたい」と自分で入学を決めました。先生方のサポートは厚く、良い所を伸ばしてくださいます。
 顔つきはどんどん明るい表情に変わり、自尊心が高まってきているのを感じています。目標の就労までに色々な事を学んで欲しいです。

<17>自分の悩みを心を開いて周りの人に話せるようになりました

 ゆたかカレッジのことは、福祉事務所の担当の方から教えていただきました。同じ障害や特性の個性豊かな素晴らしい同世代の子が一生懸命に学ぼうとしていることを知り、その環境なら自分も自分らしく居れる、そして自信につなげられると思い選びました。ゆたかカレッジなら就職して自立出来ると思いました。
 毎日、楽しく通わせていただいています。改めて学び直していることが多く、気づきや発見、学校ではここまで丁寧に教えてはくれないと思うようなことでも、ゆたかカレッジはいちから教えてくれます。その子に合ったクラスで教えてくださるので助かっています。
 先生方が毎日、連絡帳でコメントを書いてくださり褒めてくださるので励みになっているようです。悩み事や困り事も対応が早く親身になってお話を聞いてくださるので安心して通わせられる環境です。
 人との関わりも、スポーツや授業、レクレーション(野外活動 日帰りでお出かけなど)を通して学べるので大変嬉しいようです。本当にゆたかカレッジへ毎日通うようになり、リズムができ体調も安定してきて良かったと思います。
 成長したところは、ゆたかカレッジのおかげでたくさんのことがあります。なるべく自分のことは自分でやるということと、自分の障害や特性について他人に話せるようになったことです。また、たくさんの個性を認めて尊重し合うことです。以前は自分の悩みも出さず1人もしくは家族内だけで悩んでいましたが、今は先生方やお友達とも少しずつではありますが、心を開いて話せるようになりました。お昼のお弁当は、7月の末からは、自分で前日に詰めて用意をしたり最近ではお小遣い帳にもチャレンジしています。
 生活面では、7月末からお昼のお弁当を前日の夜に準備をして頑張っています。最近では、お金の計算が苦手なので先生のサポートもありお小遣い帳にもチャレンジし始めました。まだまだ、スタートしたばかりではありますが確実に一歩づつ前に進んでいます。
 本人の努力もそうですが、サポートしてくださる先生方や環境に感謝しております。引き続きよろしくお願い致します。

<16>あたらしい世界にとびこんで・・・

 おかげさまで、ゆたかカレッジに籍をおかせていただいて、まもなく 一年を迎えようとしています。時折、思い返せば、バタバタの毎日の中ですが、そろそろ進路を決めないといけない時期にやってきたお話でした。

 

 『障害のあるお友だちのための、あたらしい選択肢の1つの学校』。情報は(インターネットなど苦手なもので…)プリントとオープンキャンパスと先輩ママ(子どもさんが30代)の言葉でした。

 

 昔は健常児のお友だちも高卒で就職する子も珍しくなかったけど、今は、ほとんどの子が短大や専門学校、大学と、社会に出るまでにワンクッションおく時代に、ただでさえ、障害のある子どもたちが、「高等部卒業しました。次はすぐ社会人として仕事です。」という環境よりも、何かまだ見えていない、あたらしい経験をしてからでも、と(私の感じたことですが…)ずい分前から取り組んでくださっていたことが形になったのが、ゆたかカレッジのように思いました。(勝手な解釈ですが…)

 

 学校側も自分たち側も情報のない中でしたが、長谷川先生のお話や想い、オープンキャンパスで接してくださる先生方の温かい目など、感じるところがあり、進学を決めました。

 

当の本人はというと、会話などに興味がなく、思いを伝えることがキビシイですが、先生方にたくさんサポートしていただいたり、言葉の得意なお友だちの会話を覚えて使ったりすることがみえてきました。また、好きではあるけれど、家でなかなか取り組めなかった漢字検定やパソコン検定などにも全員で挑戦する!!という力もいただけていて、がんばれているようです。

 

 4月からは斯入生を迎え、またいろいろな刺激をいただきながら、一歩一歩進んで行ってくれるであろう姿を見守っていきたいと思います。

<15>大切なノート

 口数が少ない息・からは、ゆたかカレッジの様子は伝わってきません。保護者とゆたかカレッジをつなぐのは支援教員の先生との連絡帳です。先生から一日の活動やお知らせをいただき、家庭からの気付きやエビソードを返して、毎日使いこんだA4のノートはかなり傷んできました。

 

 昨夜、息子は背表紙が破れてページがパラパラになりそうな連絡帳を熱心に修繕していました。自分でボンドを買って来て、細くカットしたガーゼでノートの背を補強してから、その上に布を張って仕上げていました。手の込んだ方法でなおしているのを見て、大切に使おうとするこだわりに感心しました。

 

 この5カ月で、息子に目を見張る変化はありませんが、反論が多くなったようです。それは決してマイナスではなく、彼の中で「論点ができた」よろこばしい成長だと理解しています。自己主張は、ゆたかカレッジの体験で自信がついてきた結果でしょう。先生方の個性を尊敢した支援のお陰だと感謝しています。

 

 残り4ページになっても、りっぱに再生された連絡帳はゆたかカレッジに対する息子の特別な想いの表れだと思います。無言で託されたこのツールを使ってカレッジライフを応援していきます。

 

<14>ゆたかカレッジでの貴重な時間

 「この子たちの成人は30歳です。」毎日現場で多くのお子さんを見ている先生は、講演会でこうおっしゃった。この意味が、最近になってようやく理解できました。

 

 私の子どもは、背伸びをしてきたため、学校社会での逆境に耐えてきました。そして今、やっと自分の居場所をゆたかカレッジで見つけ、自分のペースで社会に向けて歩き始めることができたと感じます。

 

 ゆたかカレッジに通ってからは、いままでの環境では身に付けることができなかった、仲間と一緒に考えたり、行動することの経験によって、子どもの精神面での成長や社会に出る意欲が見えるようになってきました。家族だけではなかなか経験できない社会体験が、ゆたかカレッジでは仲間といっしょに経験したり、チャレンジすることができるからだと思います。そして何よりも、先生方の子どもたちへの愛情あふれる日々の御指導のおかげだと思います。居場所を見つけた子どもは、自立に向け、毎日楽しくゆたかカレッジに行くようになりました。

 

 子どもたちにとってはこのゆたかカレッジの4年間は、いろいろなことを体験して、次のステッブに進むための非常に貴重な時間になると思います。焦らないで、見守って行こうと思います。

<13>神様がくれた宝物

 あれは20年前の暑い日が続く8月8日でした。陣痛が始まり、長女の子と同じように痛みが続く中、産声が上がり安堵したことを思い出します。先生が「少し異常があるようで入院になります」と言われショックを受けたこと、3歳児検診で発達の遅れがあることと、目に異常があり弱視で内斜視があると言われ、私の試練が始まりました。病院めぐりの日々、視力アッブの訓練、言語訓練などいろいろ。小学校に上がっては授業についていけないので漢字と計算の勉強と訓練の日々。

 

 将来に不安を覚え、髪をさか立て、目をつり上げて鬼の形相で息子に勉強をさせていました。今思えば本当に可哀想なことをしたと思いますが、その時は「私がなんとかしなくては!」と必死だったのです。思いとは反対に息子は3歩進んで3歩後退でした・・・。

 

 この子が大人になった時どうなるんだろう?仕事につけるのか?結婚は?私がいなくなったら?と思い悩み、ついにはノイローゼになり心療内科に通うまでになりました。

 

 通院している間に先生から「まだ来てもいない未来を思い心配するのをやめて、少し先だけ見て生きてはどうですか」と言われハッと我に返り、子どものためにも先の先まで考えるのはやめよう。目の前を見て行こうと思いました。それからは考えが変わり、特別支援学校高等部に入学し、本人に自信を持たせることを考えていきました。また高等部卒業後、どうしたらいいか悩んでいたら障害があっても学べるところゆたかカレッジに出会い、私が求めていたところがあったと思い、通いはじめてもうすぐ1年が来ます。朝、自分で起きて準備をし、バスで通い、ゆたかカレッジではパソコンや漢字検定での漢字の勉強、日々起きたこと、ニュースを調べたり、定期的に行われている調理実習では包丁を使うこともできるようになりました。私では教えることができないことを学んでいます。

 
 
 先日行われた研究論文発表会では司会を務め、パソコンのパワーポイントを使い発表していました。息子が幼い時、こんな日々が来るなんで考えてもいませんでした。

 

 まだまだできないこともありますが、できるようになったことがたくさんあります。

 

 我が子が私を育て成長させてくれて共に歩んだ20年です。息子に感謝し、今年迎える20歳の誕生日を心から祝いたいと思います。

<12>ゆたかカレッジに通って

 ゆたかカレッジに通う以前は、普通中学、高校に通い、その後6年間ぐらい、単純な仕事に従事していました。その頃は他の人たちに比べいろいろな面で遅れていて本人はわからないなりにプレッシャーと戦いながらの日々だったと思います。しかし1年間ゆたかカレッジに通い、周りの学生さんも大なり小なり同じような障害を持った子どもさんたちなのでお互い助け合ってゆっくり、又じっくりいろいろなことを経験しながら日々過ごしていくうちに、うつむきがちだった姿勢も少しずつ上向きになってきて、周りの人たちへの気遣い、自分も負けられないという小さな競争心、我慢しなければという忍耐力等も少しずつついてきたような気がします。

 

 また、今まで何気なく見たり聞いたりしていたニュース等も、『1分で発表 今日のニュース』いう朝の取り組みのおかげで自分なりに考えて発表していくことでまわりのいろいろなことに目を向けるようになった気がします。

 

 少し遠回りしてゆたかカレッジに辿り着ましたが、長い人生の中の貴重な4年間、又、僅かな4年間でもあるので、いろいろな経験をさせてもらって、さまざまな枝・葉をつけて次のステップに繫がっていけばと願っています。

<11>ゆたかカレッジは楽しそうだね

 高校卒業⇒就労と考えていただけに、就労に失敗したときは高校選びを間違ったと後悔しました。

 

 ゆたかカレッジに入学してもうすぐ1年、子どもの様子からこの選択は間違っていないと確信しています。定期を取りに戻ったり、大雨や強風による電車の遅延や連休等、順調に通学できない日もありました。そんな時でもあわてず、まず「ゆたかカレッジに連絡」次に「家に連絡」して状況を伝えたり、図書館やイベントに立ち寄り帰りが遅くなるときにも、必ず家に連絡して心配をかけないようになったことが一番の成長です。

 

 高校ではひとりだけだったクラスメイトが7人に増え、意見の衝突等もあるでしょうが、解決に導く方法や就労や自立に向けての力を身につけ、前に進んでほしいと願っています。

 

 今までお世話になった先生方が今の子どもを見たらきっとこう言ってくれると思います。

 

 「ゆたかカレッジは楽しそうだね」

<10>日々の成長

 毎日楽しくゆたかカレッジへ通っています。いろんな面で日々成長を感じています。

 

 自分が興味のある話題になりますと、相手の話を聞かず、一方的に同じ話をずっとしていました。今は、会話が“成立”まではいきませんが、少しずつ相手の話を聞き、努力しているように感じます。

 

 毎日、ゆたかカレッジで会うクラスメイト、先生の名前が覚えられなくて、もう一年が過ぎるところですが、名前と顔がまだ一致していないようです。名前の頭文字を言うと、名前だけは言えるようになりました。これから少しずつでいいので、クラスメイト、先生の名前をスラスラ言えるようになってほしいです。

 

 ゆたかカレッジはとても楽しいと話してくれますが、「今日は、何をしたの?」「明日は、何をするの?」など、本人に聞きましても、何も覚えておらず、連絡帳を見ながら、本人に、「こんなことをしたんだね!」と声をかけると、「そうっか一!」と話をしてくれます。これからは、できるだけ自分で話をしてくれるようになってほしいです。

 

 課題はまだまだありますが、少しずつできるようになってほしいです。

 

 日々、わかりやすいご指導、ありがとうございます。これからも大変だとはわかっていますが、息子をどうぞよろしくお願いします。

<9>福祉型カレッジを満喫しています!

障害のある子は、高校を卒業したら、すぐ就労って、何かへンだなあと思っていました。発達のゆっくりな子だからこそ、いろいろな体験や学びの場が必要・・・。ゆたかカレッジは、まさにその希望をかなえてくれるところです。

 

 年子の弟が昨年大学に入学。本人は自分も「大学生」と名乗ることに、妙な満足感を感じているようで•••。いえ、それはきっと誇りを感じているのだと感じています。

 

 ダウン症で、おっとりのんびりの長男。言いたいことがなかなかうまく伝えられなかったり、こだわりがあったり、いろいろな課題がありますが、先生や友だちのなかで鍛えていただいています。ここのところ、自分から話しかけることが増えてきたなあと思います。自分の好きなことを通して、調べたり、表現したりすることで、本人の自信につながっていて、本当に感謝です。

 

 これから、どう成長していってくれるか、楽しみです。

<8>よく見る風景

 毎夜、我が家では必ずみる風景が2つある。

 

 1つは洋服コーデである。最近は短くなってきてはいるが、昨年の春から夏にかけてはかなりの時間を要していたと思う。制服で通う生活が6年続き、私服で每日出かけることには慣れていないからだ。すべてといえるぐらいの洋服を出しては、色合いや組み合わせのコーデを考えている。私が見ても「あっ、いい感じ!!」と思えるコーデもあれば、「これで行かれますか」と思うものある。止めたことはないが、好評のコーデはたまに続くが、「これは…」と思うコーデはそれっきりのこともあり、本人のセンスも段々ステップアップしているのだろう。こんな風景をみると女の子なんだなあと、改めて実感する。

 

 2つめは毎日の銭勘定である。それはどんなに疲れていても、またお出かけして遅く帰ってきた日も、これだけは絶対に欠かさない。電卓を使い、1円単位まできっちりつけている。おこずかい帳ノートには自分で工夫をしてつけている。ゆたかカレッジ生になり、每月のおこずかいを5000円あげている。大抵は自分の好きなものを帰宅時に買って帰ってくる。レジ先でも1円玉や5円玉なども応用をきかせて支払う姿をみていると、頼もしくも思えてくる。いつだか私が体調を崩した時には、ポカリスエットや私の好きな食べ物を買ってきてくれる気前の良さもある。先日姉とふたりで東京ディズニーランドへ遊びに初めて出かけた。お年玉も入り、自分のお金でチケット代や食事代、またおみやげも買って帰ってきた。私専用の美味しいチョコと自分専用のバームクーへンを買ってきた。二人でそれを美味しく食べながら、金銭感覚は順調に育っているなあと思えた。

 

 ゆたかカレッジに入ってもうすぐ1年。小さい変化だがひとりで生きていく力がついてきた思う。また友だちと一緒に考えながら進める学習は生きていくのに絶対に必須なことだと思う。あと3年、どんな風に成長していくのか、とても楽しみである。

 

 となりでゲームに夢中になっているHさん!!
 がんばれ!!応援しているよ。

<7>出会いに感謝

 ゆたかカレッジに出会って、先が見通せない暗い不安な生活から親子共々明るい道へ向かえています。本当に感謝、感謝の每日です。

 

 仕事もみつからず、人とコミュニケーションを取ろうともせず、どうしていいかわからず、自分に自信をなくしかけていた息子が、マラソンを最後まで走ったり、調理実習で役割をこなして楽しめたり、何より毎日規則正しく学校に通って日々明るくなっています。会話も笑顔も増え、これからもこの調子で自分に自信をもって進路を見いだしてくれることを願っています。

 

 何よりゆたかカレッジとの出会いを導いてくれた知人との出会い、一生恩を忘れられない出会いでした。

<6>ゆたかカレッジでの我が子の成長

 息子がゆたかカレッジに通い始めて10ヶ月が経とうとしています。他の学生さんや先生方とのふれあいが楽しいようで、1日も休むことなく毎日楽しく通っています。連絡帳に、何事にも積極的に楽しみながら取り組めている様子が書かれてあり、育春を謳歌している息子を見て嬉しく思っています。

 

 行事や余暇活動もとても楽しんでいます。漢字が好きな息子は趣味で漢字を覚えていましたが、ゆたかカレッジに入ってから漢字検定の4級を受けて合格し、次は3級合格に向けて頑張っています。

 

 これからも企業就労という目標に向かって、いろんなことに挑戦していく息子を見守っていきたいと思っています。

<5>“ゆたかカレッジ”にかかわるGGの思いあれこれ

 故有って、幼少時から私(GG)と妻(バーバ)との三人での生活が始まり現在に至っています。つまり、私(自他共にGGと称しています)が孫娘の保護者となったわけです。孫が2歳中頃になっても“片言も発しない”、話しかけても“無表情”、しかも“歩かない”ことに加えて“食欲だけは旺盛、有ればあるだけ食べて太るばかり”で、先が全く見通せない真っ暗で長い長~いトンネルの中を、まさに暗中模索する日々を過ごしていました。

 

 ところが、友人を介して保育園や療育指導センターに出会い、適切な保育や療育を受けることにより、徐々に改善の兆しが見えはじめたものですから、小学校は“特別就学措置・条件観察付”ということで通常学級で学ぶことができました。幸いなことに6年間、「いじめ」らしいことを受けることはなかったものの、学習にはまったくついていけず、かといって、先生がプリントなどの別教材を渡すなど特別扱いされることについては“強く拒絶”し、合わせて、同級生との会話や交流がほとんどできず、いつも無表情で暗いい面持ちで過ごしていました。

 

 そこで、中学校は私の強い希望で特別支援学校中学部に入学させることにしました。環境の急激な変化に対応できるだろうかと、私は強い不安を抱いていましたが、特別支援学校は幸いにも心地よい居場所になり、表情が見違えるように明るく笑顔に満ちあふれるようになっていきました。中学部に引き続き高等部も特別支援学校に入学し、一般就労をめざして能力開発センター体験入校など、いくつかの現場実習を積み重ねるなどして学習を深め、県南部障害者就職面接会で二社を受験しましたが不採用になり、その後、能力開発センターを受験しましたが、これまた不合格となりました。

 

 ところがタイムリーなことに、あらたにオープンすることになった“ゆたかカレッジ”に巡り会うことになり受験し、「入学」が許可されました。

 

 “ゆたかカレッジ”「入学」に先立つ説明会などにおいて、長谷川正人学長が話されたことの中で特に強く印象づけられたことは、①健常者には専門学校、短大、大学などへ進学する道があるように、特別支援学校高等部の卒業生にも、それらに相当する学習の場が保障されるべきである。②一般就労しても中途で挫折した場合、学習期間が長いほど立ち直りがはやい。③余暇を有効に活用すること、つまり、楽しみ方を知っておかないと働くことは長続きしない、という三つのことで、どれもが“ナルホド!!”と納得させられるものでした。

 
 
また、“ゆたかカレッジ”は、制度上は「自立訓練(生活訓練)」の場ではありますが、持別支援学校高等部卒業後の学びの場であり、自立していくための「金銭管理」「食生活」「調理実習」「余暇活動」「職場体験」など、特別支援学校高等部の延長(支援学校の「大学」)という位置づけで 4年間の教育課程が組まれており、その内容は1・2年生が教養課程、3・4年生が専門課程となっているということです。

 
 さらに、「大学」と位遣づけてのことで、自分でテーマを見つけて調べ学習の発表の場としての「研究論文染表会」や、近隣の大学との交流なども企画され、社会性を学ぶ機会を作って頂いています。

 

 ところで、ゆたかカレッジは福祉サービス事業所なので学校法人ではありませんが、崇高な精神で、内部的には特別支援学校の「大学」という位置づけで、「入所」は「入学」と称し、また、「利用者」であるが「学生」と呼び、「支援員」であるが「支援教員」と呼ぶなど、本人たちには「大学生」という自覚を持つように指導されています。

 

 ちなみに、こんなことがありました。心臓疾患(肺動脈弁狭窄症)手術のため入院中に、本人が見るからに幼い容貌なので看護師さんから「中学生ですか?」と尋ねられたとき、「いいえ、大学生です」と誇らしげに“即答!”したので、「なるほど!」と実感させられた次第です。

 

 自立をめざして「学習」している内容について、これまでに学んだことなどを貝体的に紹介し、振り返ってみます。

 

1)「金銭管理」について

 

 学習の一環として小遣い帳の付け方や間食の管理・指導までも目的意識的になされており、徐々にではあるが、自覚の高まりが感じられます。現在は私が毎週月曜日に300円与えていますが、それらも含めて収人・支出の記録指導をしていただいています。これまで、レシートと記帳内容とが合わなかったことから、使途の「問題点」が発覚し、指導に活かされたことが何度かありました。しかしながら、まだまだ私の不安感は拭える状況に到達していません。ついでながら、お金(数)の量的な認識のレベルで言えば、例えば先日、「230円の半分はいくらか」と尋ねてみたが、「115円である」ことが出てこず、バーバ(妻)が、「200円の半分は100円。30円の半分は15円。だから、230円の半分は115円でしょう。」と説明していたが、今ひとつ釈然としない表情をしていました。以前、大金の管理で大失敗をしました(短期間での買い食い)が、最近、今後の障害年金受給を想定して預金通帳の作り方を学習したそうで、その成果として、今回の成人祝いにかかわる大金の扱いについては先生の巧みな指導を受け入れて“マイ通帳”に入金したとのことです。お金(特に大金の場合)への執着が強く、これまで何回か難儀したことを思えば、“ゆたかカレッジの先生様様!”と深く感謝しているものです。

 

2)「食生活」について

 

 隠れ食い、買い食いなどの問題を抱えているので、間食のあり方についても学び、徐々に意識は高まっているように見受けます。ただ、自宅からの「登下校」の途中での買い食いや帰宅した際の食にかかわる自制や自己管理については、まだまだ課題を抱えているようです。

 

3)「知的学習」について

 

 一般就労など自立に向けては、生活面だけでなく、知的にもまだまだ「学習」を継続していくことが必要だと思います。このことにかかわっても、調べ学習発表の場としての「研究論文発表会」が設定され、昨年度は心臓手術入院のことにかかわり「生まれ変わった自分」というテーマで発表することができましたが、今年度は「CMについて」というテーマで発表することになっています。また、「ワープロ検定」、「漢字検定」、「数学(算)検定」などにも取り組んでいますが、これまでに「ワープロスビード検定5級」、「漢字検定7級(小学4年程度)」、「数学(算数)検定10級(小学2年程度)」にそれぞれ合格し、新たに「電卓検定」と合わせて、次のレベルへの挑戦を目指しています。

 

4)「特別講座」について

 

 特別に外部講師に指導していただいた講座は以下のようなもので、それぞれが味のある経験になったようです。

 
 ボウリング、太極拳、釣り、筆ペンアート、みそ作り

 

5)「余暇活動」について

 

 これまでに以下のような活動をし、余暇の過ごし方について体験しながら社会性を身につける上で大きなブラスになっています。

 

 国体開会式参加、国体ボランティア参加、研究論文発表会、マラソン大会、オリエン合宿(少年自然の家)、キャンプ(少年自然の家)、ボウリング、カラオケ、たこ焼きパーティー、登山、プール、初詣、バザー販売(フライドポテト、たこ焼きなど)、花見、川遊び、ドライブ&図再館。

 

 “「学生」こそが主人公”という理念が端々に感じられます。とりわけ、驚いたことは入学式の進行でした。先輩がいない第1期生初めての「入学式」、だから前例がない。式次第の作成•掲示から当日の司会・進行までも学生たちが自分たちで話し合って分担したとのこと。当日は、保護者・来賓が室内にて着席。外に並んだ新入生のひとりが「新入生入場」と号令を発したものですから、思わず大声を出して笑いそうになったものです。学生(といっても全員が新入生)入場後の司会・進行も同様。また、終了後の懇談会(茶話会)もゲームを含めてすべて学生が取り仕切り、先生方は一切口出しをされませんでした。私は、入学式の有様に“ゆたかカレッジ”の日々の学習や諸活動のあり方が読み取れると感慨深く思ったものです。“「学生」こそが主人公”という基本理念はもとより、個々の学生の実態に応じたきめこまやかな指導がなされているのも“ゆたかカレッジ”ならではのことだと思います。

 

 私・GGにかかわることに限定して言えば、金銭の管理や食にかかわる指導、はたまた、清潔・衛生観念の釀成ということにかかわっては、先生方に大変お世話になっています。家庭では言葉のやりとりでは、受け入れ側の限界があり大変離儀することが度々ありましたが、先生方の適切な指導・支援があったればこそと、そのたびに深く感謝しありがたく思ってきました。

 

 人生は長い。学ぶ期間は1年でも長い方がよい。ハンディを抱えていればなおさらのことです。これまでの“ゆたかカレッジ”での学びを通して、強く実感しています。孫娘は現在2年目終了間近ですが、今後も継続し4年間の全課程の修了を目指しています。

 

 今後、“ゆたかカレッジ”の仲間が増え、お互いの成長を喜び合えることを願っています。多くの「新入生」の「入学」を首を長くして心待ちしています。

<4>一歩一歩

 コンビニエンスストアでのことです。「おにぎりは温めて下さい。肉まん1個お願いします。」と今は普通に冒えるようになりましたが、構音障害がある娘にとっては、大きな進歩でした。

 

 今まで、“自分の言うことは、人に通じないから、お母さんが言って”といつも言っていました。人と話すことが苦手で、なかなか相手の顔を見て話すことができませんでした。

 

 ゆたかカレッジに通い始めて2年問、少しずつ人前で話すことや、発表することができるようになりました。これもゆたかカレッジでの学びのおかげだと思います。

 

 これからもいろいろな経験をして、ハンディをハンディと思わないよう、一歩一歩成長してもらいたいと思います。

<3>何ことにもチャレンジ

 ゆたかカレッジに通い始めて3年目になろうとしています。一番変わったと思うことは、何事にもチャレンジしようとすることです。以前は、自分ができないと思ったことは、しようともしませんでした。また、できないことで、暴言を吐いたりしていました。

 

 でも、ゆたかカレッジで、仲間とたくさんの経験と、先生方がやってみようと思うまで、励まして下さることで、安心し、前向きに考えることができるようになったと思います。

 

 私は、ゆたかカレッジで仲間といろんな経験をして、しっかりした土台を築いてはばたいてほしいと願っています。

<2>今日も笑ってきたよ~

 娘はゆたかカレッジから帰ってくると、“今日も笑ってきたよ〜”と一日の楽しかったことを話してくれます。小4の終わりから絵画教室に通っている娘の将来の夢は画家になること。その夢を叶えたくてゆたかカレッジに決めました。

 

 ゆたかカレッジに決めた理由は、まず、娘が行きたいと感じたこと。そして、娘の絵を見て下さった時の長谷川学長先生。娘と娘の絵を認めて下さっていることが伝わりました。このことで、ゆたかカレッジだったら毎日楽しく過ごせて、生き生きとした絵が描けると確信しました。片道 1時間以上の通学は、はじめ少しきっそうでしたが、1ヶ月もすると慣れていました。交通規制があって、帰るのに2時間かかった時も、とても冷静でいつものように帰ってきました。

 

 中学までは、友だちと遊びに行くことは全くなかったのですが、余暇活動では、カラオケやボウリングへ行くので、楽しみながら達成感もあるようです。調理は、自分たちでメニューを決め、買い物も行くので、計画して行動する力がつきました。スポーツは、なんと1年目から2キロのマラソンを完走できました。これだけ充実した学生生活のおかげで、ゆたかカレッジに入学してからの絵は、パワフルな作品が次々と完成しています。これは、先生方おひとりおひとりが、娘の可能性を信じて、熱心にご指導ドさっているおかげと心から感謝しています。“今日も笑ってきたよ〜”と言える毎日をありがとうございます。

<1>第一歩

 ゆたかカレッジを知り、見学、面接、入学通知、入学。現在は2年生となり、この間、いろいろとありました。見学では、在学中の方とうちの子の差があまりにもあり、無理と思い、カレッジ入学はあきらめていました。面談では、どうしても、親として入学できたらと思い、重い子の入学もできるように難しいことをお願いし、いろいろとお話しさせていただき、困られたと思います。

 

 その後、合格通知が届き、ゆたかカレッジに入学できるようになりまして、たくさんの不安はありましたが、“第一歩”進むことができました。進む中で、今までの学校とは違い、いろいろな授業内容で、楽しく通学して、調子も良く、安心していましたが、ひとつの壁にぶつかると休むことが多くなりました。その壁とは、お友だちとの関わりでした。おとなでも人との関わりは離しいですが、またさらに、どんなふうに関わり、接してよいかわからず、パニックになり、ご迷感をおかけしました。その場を避けて休むことでは解決することではなく、本人が、いろいろな場で経験して、成長してもらい、この4年間、ゆたかカレッジの場で先生方には、いろいろとご迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いいたします。

 

 卒業して、また、“第一歩”に関わることになりますが、ゆたかカレッジでの4年間の経験を活かして、また“第一歩”を歩き、進んで行ってほしいです。

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