Essay

エッセイ

とあるささいなことから•••

 

 先日、朝の通勤時でのできごとである。私の目の前で、電車のドアが開いたら、人がぶっかり合って、両者ともにその場に倒れた。その後、二人は起き上がり、互いを罵り合うことになった。車掌さんがすぐに駆けつけ、話を聞きながらふたりを車掌室のほうへ連れて行った。よく見ると、ひとりは作業着を着た若い男性、もうひとりは、40歳ぐらいのサラリーマンだった。なにもこんな朝から、ふたりとも大人だろうに・・・と思いながら、ゆたかカレッジのあるふたりの学生のことを思い浮かべでいると、電車が発車した。

 

 そのふたりの学生は、ささいなことから衝突することがある。理由は、一方の学生Aさんの他者への配慮のないささいな言葉が、もう一方の学生Bさんの逆鱗に触れてしまい、Aさんに対して強い語気であたってしまう・・・。

 

 ふたりの話を聞いてみると、Aさんはすぐに謝ることはできるのだ。しかし、自身の言葉が相手へどのように伝わるのか、その配慮が足りない。Bさんは、体調が悪い時、頭がもやもやした時は、瞬間湯沸かし器のようにすぐにイライラすることがある。

 
 つい先日、AさんとBさんはそれぞれ別の場面で、あるトラブルがあった。

 
 Bさんは、やはり他者との衝突である。話を聞いた後、授業後に「先生!」とBさんから話しかけてきた。聞いてみると、自らの過ちを認め、反省しているということであった。その最後に、「明日から、イライラしないようにします!」と言った。この言葉から、Bさんなりに、忍耐力を身につけていきたいという思いがあるのだと感じた。

 

 一方、Aさんは体調不良で、いっしょに病院に行った。幸い異常はなく、ゆたかカレッジに戻る途中、ふたりで話をしていた時、「Bさんが最近変わってきた。自分も言葉に気を付けなければなりません。」と言った。Aさんも彼なりに、努力しているのだと感じた。

 

 私はまだ、ゆたかカレッジに来て教か月。いろいろなことを経験し、様々な場面にこれからも出会うことがあると思う。これから学生たちがトラブルにあったとき、非を認め、言い訳をすることをせず、すぐに素直に謝ることができるように支援していきたいと思った。

 

 「あの電車でのふたりのようにならないために・・・。」それを念頭に置いて。

 
(HT)