《福祉コラムVol.48》自立と自律の違いって?意味や使い方を解説。

2022.11.18

自立と自律は「じりつ」と同じ読み方をする熟語です。しかし、自立と自律、二つの意味・違いは、抽象的でわかりづらくないですか。自立と自律の意味・違いを深く掘り下げて、使い方の例題を交えながら理解しやすいように解説していきます。

自立と自律の違い

自立には自分の意志で行動するという意味があります。自立とは「他の地域や組織に支配されず存在することです。」一方自律には「他の支配やおさえつけを受けずに、自分で判断して行動する。」という意味があります。次に自立と自律、二つの意味・違いをさらに深く掘り下げて解説します。

自立の意味

自立は、支配を受けないことで、社会人として3つの意味があります。

  1. 自分が考えて仕事をする状態の自立
  2. 親や組織に頼ることなくお金が稼げて生活している状態の自立
  3. 自分で考えて行動ができる精神的な自立

1つ目の自立は、先輩などに教えてもらったスキルや知識を身につけて技術的に仕事ができている状態です。例えば頼まれた仕事だけしかできない場合や教えてもらわなければ、仕事ができない場合は仕事における自立ができていないと言えます。

2つ目の自立は、親や組織に頼らず食費・光熱費・交際費などの生活費が払えている状態です。例えば親から生活費など金銭的な援助を受けていたら経済面で自立していないと言えます。

3つ目の自立は、他人の指示やアドバイスを受けずに行動ができている状態です。

例えば他人に指示されなければ自分から行動できない状態は精神的に自立していないと言えます。

自律の意味

自律している人には3つの特徴があります。

  1. 自分で目標を立てて実行ができる
  2. 責任を持って仕事が進められる
  3. キャリアアップするためのイメージを持っている

1つ目は、自律している人は自分で目標を立てて実行ができます。単に仕事を実行するだけではなく、価値や意義のある提案や改善点を見つけて仕事を進められます。

2つ目は、自分の考えで行動するため、責任感を持ってることで仕事が進められるのでしょう。

3つ目は、自分の強みやキャリアを理解していて、キャリアアップするために何が必要なのかイメージが持てます。

自律・自立した生活に必要な支援

障害者が地域で自律・自立した生活をするには、自律を主体とした支援が必要です。

ここでは支援に必要な自律支援と自立支援の内容を詳しく解説します。

自律支援の内容

  • からだの介護:食事、入浴、排泄、着替え、洗顔、歯磨きなどの支援
  • 家事のサポート:調理・食事、買物、掃除、洗濯などの支援
  • 移動のサポート:バス・電車利用、通院、買物などの移動の手助け
  • コミュニケーション支援:自分の意思や考えを相手に伝える手助け
  • お金の使用支援:出し入れや、買物での支払いの手助け

自立支援の内容

  • 行政手続のサポート:市役所などでの証明書の取得するための支援
  • 金銭管理のサポート:銀行口座の開設、家賃・光熱費の引落などの手助け
  • 健康管理のサポート:病院の選択や付き添い、病気の内容や薬の説明などの支援
  • 悩み事や困ったときの対応:家電製品の使用方法や操作の仕方など

自立・自律するには?

自立・自律するにはどんなことが大切なのかみていきましょう。

自立するために大切なこと

自立するためには下記3つが大切です

  1. 周りの人たちに手助けしてもらう
  2. 頼る先輩や友達を多く作ること
  3. 助け合う気持ちを持つ

自立することと独立は違います。周りの人たちに手助けしてもらいながら生きていくのが本来の自立です。手助けがない状態は自立とは言わず独立と呼べます。助けてもらえる先輩や友達が多くいることが独立ではなく自立。お互いに困った時に助け合うことが、自立を成功させるには必要です。

自律するために大切なこと

自律するためには下記2つが大切です。

  1. 他者や周囲の人たちと良好なコミュニケーションをとること
  2. 自分の考え方を信じること

良好なコミュニケーションがとれれば信頼関係が築きやすいでしょう。良好なコミュニケーションをとるには、他者や周囲の人たちの考えや意見に寄り添う力が大切です。考えや意見に寄り添わず逆らえば自分勝手に見られ自律への道が遠のくでしょう。

自律への近道は自分の考え方を信じることです。自分の考え方を信じなければ、問題が起こった時や課題がある時に、自分で判断して行動できなくなります。自分で判断して行動することは自分の行動に責任を持つことで、そのことが、自律するには必要です。

自立と自律の違いを確認

ここでは転職を例にとりながら自立と自律の違いをしっかり理解しておきましょう。

転職してキャリアアップを目指す人は、自立と自律を分けて考えることが大切です。

転職先が欲しい人材は、自立した仕事で利益が得られると言えます。

そしてキャリアアップするには成果を得るためのスキルを磨くことです。

スキルを磨くためにはプライベートの時間でも勉強するなど自律した行動が求められます。

つまり、自立した仕事ができなければ転職で成功することは難しくなるのです。転職には自立・自律が不可欠と言えます。

転職するには時期を決める必要があり、自分で考えることが大切です。また、転職先の企業を見つける、スキルや経験の見直し、面接の日程調整など自分をコントロールできる自律した人でなければ

転職するには難しいと言えます。

まとめ

自立するには、周りの人たちに助けてもらうことが大切です。自律は自分の考えを信じて、自分勝手に見られないように他人の考えや意見を無視しないことが大切と言えるでしょう。自立と自律、二つの意味・違いを例文などでしっかり理解して正しく使ってくださいね。