《福祉コラムVol.35》知的障害の遺伝確率は?血縁者との関係はある?
2022.10.26
知的障害とは、18歳までに生じた知的機能の障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた状態を示します。
この知的障害は、親や親戚が持っていた場合遺伝をする確率はあるのでしょうか。
血縁者にいた場合なども含めて、遺伝をする確率についてまとめていきます。
知的障害の原因
結論から言いますと、知的障害の原因は一つだけに限定されるものではありません。
脳障害を引き起こす疾患や、要因などすべてが原因となる可能性が高いと考えられています。
原因となるものは、十分に解明されていませんが、最近の遺伝子研究から主な要因が考えられます。
- 病理的要因
- 生理的要因
- 環境要因
の3つの側面から分類できると考えられています。
病理的要因
病気や外傷など脳障害をきたす疾患のことです。
- 感染症によるもの
- 中毒症によるもの
- 外傷によるもの
- 染色体異常によるもの
- 成長や栄養障害によるもの
などがあります。
生理的要因
特に疾病などがなく、知能水準が知的障害の範囲内にある場合を示します。
環境要因
直接の原因となるものではありません。
脳が発達する時期に不適切な環境にいることで、知的障害の症状が悪化したり脳の発達が遅れる原因になったりする場合があります。
このように要因はいくつかありますが、これが原因で知的障害になったとは言い切れません。
知的障害はどのようにしてなるのか、などの研究は今も進められています。
一つでも多くのことが判明されるとよいですね。
知的障害の遺伝確率は?
知的障害の子どもが生まれると、親の遺伝ではないか、兄弟に遺伝しないかなどを考える方は多いです。
知的障害における遺伝の可能性はないとは言い切れません。
しかし、遺伝だけが原因で知的障害になるわけではありません。
知的障害には、さまざまな要因があるためです。
知的障害を持つ両親から、知的障害を持たない子どもが生まれることもありますし、逆もあります。
そのため、遺伝の確率が高いまたは低いに限らず、知的障害を発症する可能性はどの家族でも十分にあると言えます。
まとめ
知的障害と遺伝確率についてまとめていきます。
- 知的障害の原因と言われるものが「病理的要因」「生理的要因」「環境要因」の3つになる。どれか一つが原因となるわけではなく、これらの要因が重なって知的障害が発症するのではないか、と近年の研究からいわれている。
- 知的障害における遺伝の確率は、ないとは言い切れない。しかし、必ずしも遺伝するわけではない。どの家族にも、知的障害を発症する可能性はある。
知的障害は、遺伝により発症する場合もあります。
しかし、親などが知的障害を持っていても遺伝せずに発症しないこともあります。
知的障害の要因は、遺伝が全てではないってことがわかりますが、どうして発症するのかはまだわかっていません。
今後の研究で、発症のメカニズムも判明されるとよいですね。
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