《福祉コラムVol.29》4歳児の知的障害はどこでわかる?チェックリストで紹介
2022.10.14
「4歳児になったけど、まわりと少し発達がゆっくりなような…」、「まわりの子と少し違うような」などと思う保護者も多いはずです。
まわりと少しでも自分の子が異なることをしていると、気になりますよね。
発達障害ではと疑い、ネットで多くの情報を探そうとしたくなります。
4歳児の発達の目安や、子どもによく見られる発達の特性などを理解しておくことが大切となります。
この記事では、4歳児の発達の目安から4歳ごろにみられる発達障害の特性についてまとめていきます。
ただし、こちらに書いてあることで当てはまることがあった場合、発達障害ではと決めつけずに専門機関にご相談してください。
【4歳児の知的障害】4歳児の発達の個人差
子どもの発達には個人差があります。
まわりと比べてうちの子は…と思う方も多いはず。
しかし、すぐに「発達障害では?」と思うのではなく、発達のことで気になることがあれば役所にいる保健師さんや、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
【4歳児の知的障害】発達チェックリスト
年少(4歳)の発達の目安
あくまでも発達の目安となるため、これができていないからと落ち込む必要はありません。
上記にも書いてある通り、発達には個人差があります。
言語
- 名前、年齢、誕生日など自分に関わる質問に対して答えられる。
- 日常のあいさつをする。
- 言葉が増えてコミュニケーションをとることができる。
- 自分の気持ちを言葉にすることができる。
身辺自立
- 衣服の着脱、たたむことができる。
- 排泄の始末ができる。
- お箸を使って食事ができる。
- 歯磨きをした後のうがいができる。
社会性
- 自分の感情を簡単な言葉で表す。
- 状況によって決められたルールや役割の中で友だちと遊ぶことができる。
- 友だちと一緒に協力しようとする。
- 順番を理解し、待つことができる。
学習
- 1から10までの数字を理解し数えることができる。
- ものの比較が理解できる。
- はさみを正しく持ち、円を切ることができる。
- 生活の中で使う道具の名称や、使い方を理解して自分から使ってみようとする。
- 形や色の名称などを理解する。
【4歳児の知的障害】4歳の頃にあわられる発達障害の例
4歳過ぎから特徴があらわれる発達障害は、主に以下の2つになります。
- 自閉スペクトラム症
- ADHD
一つひとつみていきたいと思います。
自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症は「自閉症」「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」などが統合されてできた診断名となります。
この症状は主に3つのものがみられます。
- 人とかかわることが苦手。
- 人とのコミュニケーションをとることが難しい。
- こだわりが強く出る。
またこの他にも、知的障害が合併している場合もあります。
自分の中でのルーティンを崩されることを不安に感じており、スケジュール変更に対応することが難しいです。
また、社会性も乏しいことから対人関係を築きづらいです。
ADHD
「注意欠如・多動症」と呼ばれるものです。
ADHDには主に3つの行動特性がみられます。
- 不注意
- 多動性
- 衝動性
不注意は、何かに注意してみたり聞いたりすることや集中することが困難なものです。
忘れ物が多かったり、ものをなくすことが多かったりします。
多動性は、じっとしていることが困難なものです。
静かにする、座ってじっとすることが難しいため常に手足を動かしていたりします。
落ち着きがなく、動き回っていることが多いです。
衝動性は、我慢することが苦手です。
順番を守ることが難しいため、割り込んでしまったり、雰囲気を気にせずに発言する行動も多くみられます。
これらの特性を踏まえ、以下の行動がみられる場合があります。
- 走り回ることを禁止された場所で、走り回らないよう声をかけても走り回ってしまう。
- 集団行動が必要な場所や、座っていないといけない場面でも、席からすぐに離れてしまいフラフラする。
- 座ることはできるが、落ち着くことが難しく常に動いてしまう。
- はじめての場所や、やることに対し極端に嫌がる。
- 勝負や順位に対するこだわりが強い。
- 急な予定変更を受け入れることが難しい。
- ものをなくすことが多く、探す姿をよく見かける。
などが挙げられます。
何か一つでも当てはまるから、発達障害ではないかと思わずに、個人差があることも理解しておく必要があります。
まとめ
4歳児の知的障害についてまとめていきました。
- 知的障害とは発達期までに知的機能と、社会生活における適応能力が低いために日常生活において困難が生じている状態のこと。
- 子どもの発達には個人差がある。当てはまるからといって、必ずしも発達障害であるとは限らない。
- 4歳ごろにみられる発達障害として「自閉症スペクトラム症」と「ADHD(注意欠陥・多動症)」の2種類がある。
繰り返しにはなりますが、子どもの発達障害は個人差もあるため、長い目で見ていく必要があります。
ただ、気になる場合は必ず専門機関に相談してみてもらうことが一番です。
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