《福祉コラムVol.12》軽度知的障害児の特徴と成長

2022.08.13

軽度知的障害児をご存知でしょうか。

成長の過程で、どのような様子がみられるのでしょうか。

どこに困り事があり、どのような支援が必要なのか、就学後の配慮なども含めてまとめていきます。

軽度知的障害とは?

言葉によるコミュニケーションや、日常的な生活がほぼ自立して可能なことから、気づかれにくいという特徴を持ちます。

しかし、抽象的な内容の認識に困難が生じたり、複雑な対人コミュニケーションなどに難しさを感じることが多い障害でもあります。

軽度知的障害児に多く見られる特徴について

軽度知的障害児は、以下の特徴が多くみられます。

そのため、身辺自立などができていることからなぜできないのかと大人から思われることも多くあります。

学習面について

学齢期の子どもは、年齢相応に期待される読字や書字、計算といった学習における習得が難しく、支援が必要な場合があります。

物事への対応について

抽象的な思考や実行機能、計画を立てたり優先順位をつけることが難しいです。

問題解決を行なう場合は、固定化された方法でしか対処できないことがあります。

行動面について

年齢に応じた方法で気持ちや、自分の行動をコントロールすることが難しいです。

そのため未熟であるように、周囲から見られることがあります。

軽度知的障害児の成長について

就学前と、就学後に分けて成長についてまとめていきます。

就学前

就学前は、その子によって幼稚園や保育園、こども園と行く場所が変わってきます。

これらの場所は、集団生活を学ぶ機会となり、集団での過ごし方を知ることができます。

しかし、所属する場所がどこになっても必ず確認することがあります。

その子の特性に合った支援や配慮をしてもらえるかどうかを確認することです。

また、この時期は療育機関に行くことも支援の一つとなります。

療育センターや、児童発達支援事業所に通いながら並行して、幼稚園や保育園、こども園に通園をすることもできます。

就学後

これは中学までの期間、義務教育の話になります。

小学校からは、その子の状況や状態によりどの学級に入るかを決めます。

  • 通常学級:1クラス35人から40人の一般的に学校に通う人たちが所属するクラス。全員に対する一斉授業が基本となるが、支援員による支援を受けられる場合もある。
  • 通常学級+通級指導教室:授業の方法としては、特定の時間に1対1または少人数で実施する。障害に応じ、社会的スキルや、学習指導などがある。
  • 特別支援学級:1クラス8人程度。各教科の内容を、子どもの状況に合わせて調整を行なう。個別の学習支援・生活支援などを決めていく。

一つ注意するのが、通級指導教室は軽度知的障害のみでは利用ができないことです。

これに加えて、発達障害がある場合は対象になる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

軽度知的障害児についてまとめていきます。

  • 言葉によるコミュニケーション、身辺自立などはできるが、複雑な対人コミュニケーションや抽象的な内容を理解するのには困難が生じる。
  • 学習面、行動面、物事への対応など、身辺自立とは異なる部分で難しさがみられる。身辺自立などができていることから、他のことができないとまわりの大人からなぜできないのか、と言われることが増えてしまう。
  • 就学前は、その子の特性について説明した上で適切な支援や配慮をしてもらえるかが重要となる。また園とは並行に、療育センターや児童発達支援事業所などを使い専門的なところでトレーニングすることも大切となる。
  • 就学後は、その子の特性などに応じてどの学級に入るかを決めていくことが大切。ただし、通級指導教室は軽度知的障害のみでは利用することができない。これに加えて、発達障害がある場合は対象となることもある。

軽度知的障害児は、できることが多い分なかなか理解してもらえないものも多くあります。

その子が困っていることを、まわりの大人が理解をして適切に対応をしていくことで、その子自身が過ごしやすくなるのです。

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