《福祉コラムVol.13》知的障害者におすすめの就労支援サービス。仕事の選び方まで解説!

2022.09.13

知的障害とは、18歳ごろの発達期の間に生じた知的機能の障害によって、普段の生活の中で頭脳を使う活動に支障が発生したり、認知能力が一般的な水準から遅れた状態にあることです。

知的障害を持つ方々は、それぞれの障害を抱えながら自身の能力を発揮し、社会に貢献することが可能です。

近年では労働力不足の背景から、知的障害者も立派な労働力と考えられており、適切なサポートや支援を受けながら、人々の役に立っています。

そこで今回は知的障害者が就労する上で欠かせない、就労支援サービスについてお話ししていきます。

知的障害者の就労特徴とは

知的障害といっても、障害の程度や個人の性格によって、就労に関する得意不得意や好き嫌いが存在しています。

一般的な特徴としては、以下の6つが挙げられます。

  • 単純作業において高い集中力を発揮し、コツコツと取り組むことができる
  • 外部からの指示に対して素直な対応をとる
  • 体調の波が少なく、比較的安定した生活をしている人が多い
  • 物事の迅速な判断や臨機応変な対応が難しい
  • 一回で多くの情報を処理したり、ルールを覚えることに時間がかかる
  • 抽象的な指示への理解や場の空気感を把握すること

上記のような就労的な特長を持つ人が多いですが、ひとそれぞれに適切な就労環境や支援があれば、特長を活かした素晴らしい仕事を行うことができます。

知的障害者向けの仕事の選び方

知的障害を持つ人はもちろん各々障害の程度や体力、能力に個人差があるので、自分の特性や体調に合った働き方を見つけることが重要です。

また、仕事を選ぶにあたって障害の程度により選択できる業務内容も変わってくるため、客観的な意見も含めた選択が大切です。

ここでは、知的障害を持つ方が向いている仕事の選び方について解説します。

障害の程度が軽度、中度である場合

日常生活がある程度自立している方は、支援の下で仕事においても自立することができます。

就労できる仕事の幅も広がるため、どんな業界で仕事がしたいのかといった自分の趣味に合わせた仕事を行うことができます。

自分の興味関心のある分野で仕事をすることは、関心度や集中力がアップするため、長期間の就労が可能となるでしょう。

障害の程度が重度である場合

障害が重くなるほど、コミュニケーションや場の空気を読むことが難しくなるため、臨機応変な仕事が難しくなります。

高度な接客業やレジ業務、個数や量の管理、抽象的なものの理解が必要な仕事は難しい部分はありますが、判断要素が少ない単純作業に集中して取り組むことが得意な人は、製品の検品や在庫管理などの軽作業、データ入力業務やファイリングなどの事務作業への適性があると考えられます。

重度の障害を持つ人は、清掃業務や軽作業といった簡単だけど社会的に重要な仕事を選択することが良いでしょう。

知的障害者におすすめ就労支援サービス

知的障害を持つ人は、疾患や障害のある人の就労支援を行うサービスや専門機関を活用することで、専門の知識を持つスタッフの手厚いサポートを受けながら、自身に適した仕事を見つけることができます。

ここでは、おすすめの就労支援サービスについて解説します。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所というのは、一般企業への就労を目指す障害を持つ人に対して、求職から就職までの過程を一括してサポートする事業所のことです。

この事業所では、就職するまでのサポートだけではなく、その後の社会活動が定着するようにビジネスマナーの学習や職業トレーニングを受けることができます。

また、当然ながら面接対策や履歴書などの一般的な就職活動と同様のサポートを行ってくれるため、障害者の人生に寄り添ったサポートを常に受けながら、就職活動を行うことが可能となります。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターというのは、知的障害といった障害を持つ人の就労に対して専門的な職業リハビリテーションを提供している、各都道府県に設置された専門機関となります。

障害者職業カウンセラーや相談支援専門員といった専門知識を持つ多くのスタッフが在籍しているため、障害に応じた専門的なサポートを受けることができます。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターでは、就労への定着に対して就業面における支援とあわせて、生活面における支援を必要とする障害を持つ人に対して、社会生活上の相談・支援を行う施設となります。

知的障害など障害を持つ方の自立した日常生活と安定した就労の実現を目指しており、全国に約300箇所が設置されています。

ハローワーク

一般的な就労支援で最初に思いつくであろうハローワークにも、障害者の就労をサポートする専門援助部門が存在しています。

日本中に展開しているハローワークであるため、求人数や就職件数が豊富で、障害者雇用の求人紹介、知的障害などの様々な障害を持つ人に対するカウンセリングといった様々な活動を行っています。

まとめ

知的障害者といってもひとそれぞれ向き不向きがあり、向いている仕事というのもひとそれぞれ異なります。

自分には何ができるのか分からないひとも支援サービスを活用することで、これまでにない自立した生活を送ることができるかもしれません。

今回紹介した就労支援サービスは日本全国に存在しているので、気軽に問い合わせをして、新しい一歩を踏み出しましょう。