《福祉コラムVol.50》自立訓練(生活訓練)の目的とは?対象者やプログラム内容と事業所の種類など解説。

2022.11.24

障害のある方が自立して日常生活が送れるようになるサービスが、市区町村の障害福祉が提供している自立訓練(生活訓練)です。自立訓練(生活訓練)サービスをスムーズに始めるために対象者やプログラム内容と事業所の種類などの情報をお届けします。

自立訓練(生活訓練)の目的とは?

まずは自立訓練(生活訓練)の目的を理解しておきましょう。自立訓練(生活訓練)の目的は、食事、着替え、排泄、入浴などの日常生活における動作の維持・向上のためのサポートをすることです。

自立訓練(生活訓練)と(機能訓練)の違いは

では自立訓練(生活訓練)と(機能訓練)ではどのような違いがあるのでしょうか。自立訓練(機能訓練)とは、(生活訓練)が行えるようなからだの機能を取り戻すことです。

つまり、身体障害者や病院を退院した方にリハビリテーションや歩行訓練など行うことで、自立訓練(生活訓練)ができるからだにする訓練と言えるでしょう。また最終的に日常生活が送れるようにするための過程の訓練と言えます。

自立訓練(生活訓練)の対象になる人とは

自立訓練(生活訓練)は、自立した日常生活を目指す下記のような方などが主な対象者です。

  • 身体障害や知的障害などの障害者支援施設を退所した方
  • 病院を退院した方
  • 視覚障害、聴覚障害などを対象とした特別支援学校を卒業した方

自立訓練(生活訓練)の利用期間と料金

自立訓練(生活訓練)は、市区町村の障害福祉サービスの一つ。

利用期間は、2年が原則ですが、病院での入院が長い場合は3年になることもあります。

利用料金(月額負担料金)は、市区町村によって異なることがあります。目安としては、

  • 「生活保護受給世帯」と「市町村民税非課税世帯」は0円
  • 約300万円以上~約600万円以下(前年度所得)の場合は9,300円
  • 600万円以上(前年度所得)の場合は37,200円

自立訓練(生活訓練)の事業所には

ここでは、自立訓練(生活訓練)が受けられる事業所の種類をみていきましょう。

自立訓練(生活訓練)が受けられる事業所の種類は、通所型・訪問型・宿泊型です。

各種類別に解説します。

事業所の種類:通所型

自立訓練(生活訓練)を受けるために事業所に通うのが通所型です。朝から夕方まで行うことが多く、規律正しい生活を身につけやすいと言えます。事業所ごとに開始時刻や終了時刻が異なるので確認してから決めましょう。

事業所の種類:訪問型

自立訓練(生活訓練)のために事業所に通う必要がなく、障害者宅にスタッフが訪れてくれるのが訪問型です。事業所に通う必要がないので歩行が難しい方や人との対面が苦手な引きこもりがちな方に向いていると言えます。

事業所の種類:宿泊型

昼間働いている人や他のサービスを受けて、昼間の自立訓練(生活訓練)が受けられない方を対象にしたのが宿泊型です。宿泊することで、帰宅後の夕食や家事などと入浴や着替えなどを向上するトレーニングがしやすいと言えます。

自立訓練(生活訓練)の中身(プログラム)には

ここでは、自立訓練(生活訓練)とはどのようなことをするのか中身(プログラム)についてみていきましょう。自立訓練(生活訓練)の主なプログラムは下記の3つ。

  1. 日常生活に必要な能力
  2. 精神面をつくる
  3. コミュニケーション能力の向上

生活訓練のプログラム:日常生活に必要な能力

日常生活に必要となる能力向上に向けてトレーニングをするプログラムです。日常生活に必要な能力のトレーニングの例

  • 掃除・洗濯・食事・ゴミ出しなど家事全般
  • 入浴、排せつ
  • お金の出し入れやバスや電車と役所や銀行などの利用
  • 地域生活のマナー

生活訓練のプログラム:精神面をつくる

食生活、生活リズムなどを自分で管理する精神面をトレーニングするプログラムです。

精神面をつくるトレーニングの例

  • 金銭面の抑制
  • ストレスをコントロールして緩和する方法
  • 自分ができることとできないことを理解する

生活訓練のプログラム:コミュニケーション能力の向上

地域生活のマナーやルールを守ることや人づきあいの仕方をトレーニングするプログラムです。

コミュニケーション能力を向上させるトレーニング例

  • 他人との意見交換で理解して自分の考えや意見を伝える
  • カラオケやウォーキングなどのレクリエーションを通じて人づきあいを良くする

まとめ

自立訓練(生活訓練)は自立して日常生活が送れない人を支援するサービスです。一般的には日常生活に必要な能力の維持・向上、精神面を鍛えることやコミュニケーション能力を高めるプログラムが実施されます。

しかし、このプログラムは事業所ごとに異なりますので良く確認をしてから決めましょう。また、自立訓練(生活訓練)の効果をあげるには、自分の合っている事業所を選ぶことも大切です。見学会や体験会をやっているのでまずは、実際に確かめましょう。