《福祉コラムVol.2》知的障害、発達障害にリスクのある合併症
2022.07.31
知的障害や発達障害をお持ちの方は、他にもいくつかの合併症を抱えている可能性があります。
先発である知的障害や発達障害の症状にばかり気を取られると、合併症の治療やサポートが遅くなってしまう可能性もあります。
そこで今回は、知的障害や発達障害との関係性を理解し、知的障害や発達障害を抱える人がかかりやすい合併症について解説します。
知的障害や発達障害をお持ちの方や、サポートする方はぜひ参考にしてみてください。
知的障害と発達障害の関係性
知的障害と発達障害は同じものだと考えてしまう方もいると思いますが、それぞれ異なる特徴を持った障害のカテゴリーとして分かれます。
しかし、全く別物のカテゴリーというわけではなく、知的障害を持っている方の中には、発達障害がある方もいます。
知的障害とは?
知的障害は、医学的な視点では以下の3つが条件になります。
・知的機能の遅滞(IQ70以下)
・生活上、適応機能に制限がある
・概ね18未満で現れる
このような条件がありますが、医学的にいう知的障害は「精神遅滞」と同様の意味で使われます。
知的障害となる要因は、遺伝子の病気や先天性の代謝異常、脳形成異常などの出生前の要因となるものや、外傷性脳損傷・ウィルス感染や中毒などの出生後の要因もあります。
要因となるものが多岐に渡るため、原因が特定されないことのほうが多いです。
発達障害とは?
発達障害は、何らかの原因で脳の一部の機能がうまくいかない状態で起こるとされています。
発達障害はこうした要因で起こる障害の総称ともいえ、代表される障害は以下のようなものがあります。
・自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害
・学習障害
・ADHD
合併症はなぜ起こる?
知的障害や発達障害が起こる原因は様々な要因が関係していますが、脳の中枢神経系疾患が原因の1つと言われており、こうした脳の疾患と関わりのある合併症が起こる場合が多いとされています。
合併症は、二次障害と言われることもあり、先発である知的障害や発達障害と同様にサポートや治療が必要になることが多いです。
知的障害者や発達障害者がかかるリスクのある合併症
知的障害や発達障害を有する方が併発しやすい合併症がいくつかあります。
しかし、知的障害の特性から、障害や症状に気付きにくい場合もあります。
逆に先に合併症の症状に気付き、後から知的障害や発達障害が分かる場合もあります。
早期療育や早期治療が重要になるため、以下のような合併症の症状にも目を向けてみましょう。
抑うつ
落ち込んだ気分が続く、憂鬱な気分になる、落ち込んで何もする気になれない、という心の状態が強くなり、様々な身体症状や精神症状が出る状態を抑うつと言います。
意欲が低下したり、自尊心を喪失したり、思考力や集中力の低下が見られることもあります。
双極性障害
双極性障害は、テンションが高くなり活動的になる躁状態と、憂鬱で気力が低下するうつ状態を繰り返す精神疾患です。
以前は躁鬱病と呼ばれていたこともありますが、うつ病とは異なる病気で、治療法も異なります。
パニック障害
動悸やめまい、窒息感、吐き気や手足の震え、発汗といった症状が理由もなく突然起こります。
こうした症状が突然出来ることから、生活に支障が出る状態をパニック障害といいます。
まとめ
知的障害や発達障害は、細かく分類されたカテゴリーの1つであり、広範囲で考えるとどちらも併発している人がいることも珍しくありません。
また、知的障害や発達障害は脳の中枢神経系疾患が原因になる場合があり、脳の疾患と関わりのある合併症が起こる可能性もあります。
知的障害や発達障害をお持ちの方は、病気の特性上こうした合併症に気付きにくいこともあるため、症状に対する周囲の理解が重要になります。
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