小さい子どものうちでも、知的障害の診断を受けることができます。
知的障害とは、発達期(18歳以下)までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全体的に遅れた水準の状態をいいます。
診断を受けた子たちのことを、知的障害児と呼ぶこともあります。
しかし、何歳ごろから診断を受けることができるのでしょうか。
また、行動特性は共通してみられるものもあるのでしょうか。
知的障害があるのではないか、と気づくための乳児期からみられる兆候などもまとめていきます。
これはあくまでまとめた記事となるので、この記事を読んで気になる方は自治体の療育センターなどに相談してみることをおすすめします。
知的障害は幼児期からわかるのか?
知的障害は、小学生になってから判明することが多いです。
幼児期でわかる場合は、自治体で行われる健診で見つけてもらうことになります。
知的障害は、幼児期に兆候がみられることがありますが0歳で判断することができません。
知的障害の診断は、成長過程における発達の基準との差を見るためだからです。
また、自治体で行われている健診で判明することもあります。
一般的に1歳6ヶ月健診、3歳児健診、就学前健診で行われます。
他にも気になる、と感じる兆候がみられたりもします。
兆候についてまとめていきます。
赤ちゃん(0歳)でみられる兆候
- 泣き止まない
- あまり泣かない
- 離乳食を嫌がって食べない
- 目を合わせない
- 物事に関心がない
- 抱っこを嫌がる
1~3歳でみられる兆候
- 友達と喧嘩ばかりする
- 一緒に遊ばない
- 言葉(発語)がゆっくり
- 気に入ったおもちゃでしか遊ばない
- 思い通りにならないとパニックや癇癪を起こす
幼児期に見られる行動特性について
この行動特性は、知的障害児と言われても一人ひとりで異なる症状が出ます。
以下は、共通してみられる特性となるのでまとめていきます。
集中力や注意力を持続することが難しい
注意を向けることが難しいです。
目の前で行う作業に、集中することができないこともあります。
その他に落ち着きがなく、座っているのが難しかったり、人の話をしている内容を集中して聞くことが難しい場合もあります。
物事の記憶が難しい
知的障害のある人は、記憶していられる量が比較的少ないと言われます。
一度に複数のことを伝えても、覚えることが難しいです。
一部しか覚えていなかったり、長期間覚えているのが難しかったりします。
これは、知的障害の程度によって異なることがあります。
ただ、覚えることが難しいために日常生活で困ってしまうことも出てきます。
一度聞いただけでは忘れてしまうこともありますが、何回か絵カードを見れば覚えられるという子もいます。
その子がどれくらい覚えることができるのか、どうしたら覚えやすいのか、といった記憶の特徴も一人ひとり異なります。
抽象的な概念や経験していないものの理解の難しさ
知的障害児は、自分のまわりにある具体的なものを基本として外の世界を認識することがあります。
そのため、時間や数といった概念的な物事への理解、目の前にないものを頭の中でイメージして考えることが難しい場合があります。
例えば「あと少し」と伝えても、少しとはどのくらいなのかと考えてわからない子もいます。
抽象的な言い方は理解が難しいため、具体的に伝えたり実際の物で伝えていくことが重要となります。
コミュニケーションの難しさ
知的障害児は、言葉の遅れがある、自分の気持ちを上手く伝えることができず手を出してしまう子もいます。
これは、言葉という概念への理解が難しいことから覚えられない場合があります。
行動のコントロールの難しさ
年齢相応の気持ちや、自分の行動をコントロールすることが難しいまたは、未熟であるように見られる場合があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
知的障害児についてわかったことをまとめていきます。
- 発達期(18歳以下)までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全体的に遅れた水準の状態。
- 子どもに知的障害があるかどうかは、小学生になってから判明することが多い。兆候がみられることがあるが、0歳で判断することは難しい。他にも、自治体で行われている健診などでわかることがある。
- 行動特性は、知的障害児で一人ひとり症状が異なる。しかし、共通して見られる特性がある。集中力や注意力を持続することが難しい、物事の記憶が難しい、抽象的な概念や経験していないものの理解の難しさ、コミュニケーションの難しさ、行動のコントロールの難しさなどがあげられる。
知的障害と言われても、一人ひとりの症状が異なるため支援も個々で変わってきます。
共通してみられる行動特性、幼児期のうちから見られる兆候などはありますが、気になるという方は自治体の療育センターに相談してみるのがよい方法です。